釈迦涅槃像は福岡県糟屋郡篠栗町の南蔵院に安置されている世界最大級の青銅製涅槃仏で、釈迦の入滅の様子を表現した巨大な横臥像です。
全長41メートルに及ぶスケールと精緻な造形美を兼ね備えていて、豊かな自然に囲まれた境内のシンボル的存在として、多くの参拝客を魅了しています。
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「南蔵院」情報
以下「釈迦涅槃像」を見ることができる「南蔵院」の情報です。
施設名 | 南蔵院 |
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住所 | 福岡県糟屋郡篠栗町大字篠栗1035 |
電話 | 092-947-7195 |
開館時間 | 9:00-16:30 |
休館日 | 年中無休で見られます |
駐車場 | 無料駐車場は3ヶ所 |
全長・長さ・高さ | 全長41m、高さ11m |
料金・入場料 | 涅槃像体内参拝:祈願供養料500円・受付 : 9時30分-16時 |
釈迦涅槃像は、南蔵院の広大な敷地に横たわる姿で安置されていて、その圧倒的な存在感は訪れる人々の心を打っています。
1995年に完成したこの青銅製の巨像は、釈迦の最期の瞬間である涅槃の情景を荘厳に表現していて、頭を北に向け右脇を下にして横たわる姿勢は、インドのクシナガラでの釈迦入滅の様子を忠実に再現しています。
像の表情は安らかで穏やかな微笑みを湛え、仏の慈悲の心を象徴的に表していて、頭部には螺髪と肉髻が精巧に作り込まれ、耳朶は長く垂れ下がり、首には三道と呼ばれる三本の襞が刻まれています。全身には法衣の襞が繊細に表現されていて、金属の質感とは思えない柔らかな印象を見る者に与えています。
造像には高度な青銅鋳造技術が用いられ、数多くの部材を組み合わせて一体の巨像に仕上げられていて、表面処理には緑青による独特の風合いが施され、時の経過とともに深みを増していきます。
制作過程では伝統的な技法と現代の技術を組み合わせることで、大規模な像でありながら細部まで丁寧な仕上げを実現しています。
背景となる山々の緑と調和した姿は、四季折々の自然の中で異なる表情を見せており、春には桜、夏には深緑、秋には紅葉、冬には時折積もる白雪が像を彩ります。
季節の移ろいとともに変化する景観は、仏の説いた無常の真理を体現しているかのようで、特に朝夕の光に照らされる姿は荘厳で、参拝者の心に深い感銘を与えています。
南蔵院の涅槃像は、単なる信仰の対象としてだけでなく、現代における仏教芸術の重要な達成として評価されています。伝統的な仏教彫刻の様式を継承しながら、現代的な解釈と技術を融合させた点で、仏教美術の新たな地平を切り開いた作品として注目を集めています。
制作には綿密な設計と計画が必要とされ、完成までに約3年の歳月を要しました。像の内部には精巧な構造体が組み込まれ、台風などの強風や地震にも耐えられる強度を確保して、外観の美しさだけでなく、建造物としての堅牢性も考慮された設計となっています。
近年では国内外から多くの参拝者や見学者が訪れていて、日本の現代仏教美術を代表する作例として広く認知されています。その存在は現代社会における仏教文化の継承と発展を象徴するもので、文化的にも重要な意義を持っています。
寺院の境内に静かに横たわる巨大な涅槃像は、現代に生きる人々に深い精神性と安らぎを与え続けています。